トポロジーII (2単位) 3年次 2, 3学期

(Topology II)
平成18年度担当: 金戸 武司
授業の目標:
トポロジーでは同相な図形は同じとみなす。違いの判定に位相不変量を用 いる。 位相空間にアーベル群を対応させて得られるホモロジー群は計算可能で実用的な位 相不変量で不動点定理等への応用上からも重要である。本講義ではホモロジー群に ついて、そのアイデアが生まれた経緯に忠実な形で解説する。対象とする図形は、 単純な図形(=単体)の集まり(=複体)に分解出来るもの、即ち多面体である。 通常の図形は多面体と同相だから多面体は十分一般的な図形である。講義の前半は 多面体について単体近似定理を示すことを主目的とし、後半は多面体のホモロジー 群について(位相不変性を含む)ホモトピー不変性を示すことを主目的とする。
講義内容:
出来るだけ多くの具体例を図示して理解の手助けとする。主な内容を以下 に列挙 する。
2学期:複体と多面体(PLトポロジー入門)
  1. 単体とその面、境界及び内部
  2. 複体、多面体、3角形分割
  3. 単体写像とPL写像
  4. 組合せ同型とPL同相
  5. 重心細分と単体近似定理
3学期:多面体のホモロジー群
  1. 有向単体、鎖複体、複体のホモロジー群
  2. 鎖準同型とホモロジー準同型
  3. 鎖ホモトピー、複体の細分と鎖複体
  4. 多面体のホモロジー群とホモトピー不変性
  5. ホモロジー群の計算と応用、関連する話題
成績評価:
筆記試験、レポート、出席等による。
参考書:
  1. 田中利史・村上斉 共著:トポロジー入門(サイエンス社)
  2. 本間龍雄著:組合せ位相幾何学(共立全書231)
  3. 本間龍雄著:組合せ位相幾何(森北数学ライブラリー29)
  4. 田村一郎著:トポロジー(岩波全書)
オフィスアワー
火曜、水曜;昼休み、(自然学系棟B806, Tel4231, kaneto@math.tsukuba.ac.jp)