メタプレクテック群上のホイッタカー関数について
講師: 鈴木 利明先生
(琉球大学・理学部)


日程: 平成13年 10 月 30 日(火) 〜 11 月 2 日(金)

時間: 10 : 00 〜 12 : 00

場所: 自然学系棟 D 814

世話人: 木村 達雄
アブストラクト

この講義では, p 進体上のメタプレクテック群とその上のホイッタカー関数 について解説する.前半において,p 進体上の一般線形群と その中心拡大を考える. 予備知識として,群と位相の基本的ことがらと有限体の初歩が必要です. 前半の内容は次の通り.

  1. 有理数体 Qから p 進体 Q_p を構成して,その乗法群 Q_p* を調べる.さらに Q_p の有限次拡大 F の乗法群 F* の構造を,実数体の乗法群 R* と複素数体の乗法群 C* との類似で考えていく.この類似は一般線形群 GL(r, F)と GL(r, R), GL(r, C) の類似に一般化される.
  2. F が1の原始 n 乗根を含むとして,ヒルベルト記号を定義し, その性質をしらべる.
  3. F* の有限個の直積 H の中心拡大 H~ を,ヒルベルト記号を 使って構成する.H~ の中心および最大アーベル拡大をしらべる.
  4. GL(r, F) の中心拡大 G~を考える.とくに, r=2 の場合,これを具体的に構成する.

後半において,G~ の主系列表現を構成して,それに対応する ホイッタカー関数を定義し,しらべる.GL(r, F) の主系列表現 およびホイッタカー関数の類似と決定的相違を見ていく.

後半は,``お話し''として聞いてください.群の誘導表現について 知識があるとよい.

参考書

  1. p進体およびヒルベルト記号について
    岩澤健吉 「局所類体論」, 岩波書店
    A.Weil Basic Number Theory, Springer
  2. GL(r, F) の主系列表現およびホイッタカー関数について
    P.Cartier, Representations of p-adic groups : A survey, Proc.Symp.Pure Math. 33(1979), Part I, pp.111-155.


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