研究会での風景



池田氏の講演() サマースクールでの講演.1-based groupがabelian-by-finite になることについて解説してくださいました.

新井氏の講演(8月2日) Poizatの結果「代数閉体に述語を付加してランクが ω×2の構造を作ること」についての講演. 代数閉体にPという一変数述語を導入して,Pの部分が黒 それ以外が白と便宜的によぶ.このような色つきの体のうち, δ(A)=「Aの超越次元×2−Aの中の黒点の数」で予備次元を 定義したとき,δ(A)が常に非負になるものを2色体とよぶ. 2色体はアマルガメイションを持ち,これによってgenericな 2色体が存在する.このgenericな2色体は,ランクがω×2と なる. この結果は Berlin-Lascarの予想の反例になるという説明でした. また,Poizat氏が論文を書くきっかけは,氏の大学を Hrushovski氏が訪ねたとき,氏が ランク2の体を作る方法を聞いたのだが,そんなのは簡単で, 些末な問題には興味がないと言われたことだ,という話が論文に 書いてあるそうです.


研究会情報
  1. 2月16日から19日まで,鹿児島大学で generic structureに関する研究会がありました.

    池田氏の問題についての解説. 問題A: ω-categorical なprojective planeは存在するか? Hrushovskiは,ω-categorical pseudoplaneの存在を示した. これは,2直線は高々有限個で交わる(およびそのdual)という 性質の平面である.Hrushovskiの構成したものはさらに高々1点で 交わるという条件も満たす.しかし,交わらない場合もあるので projectiveではない.そこで,必ず交わるという条件を つけたpseudoplaneをstrongなpseudoplaneと名づける. strongでω-categoricalなpseudoplaneは存在するかという 問題を提起された. (坪井の 00年大学院講義ノート3学期 にHrushovskiの証明の詳細が載っている.)
    問題B: ω1-categoricalなprojective planeの Morleyランクは2か? P2(C)(体が定義できる)や Baldwinのprojective plane(群が定義できない)はすべて ランクが2である.そこで, ω1-categoricalなprojective planeのランクは すべてランク2ではないかという予想である. 氏によれば,逆はほとんど言える(RM=2+some dondition implies ω1-categoricity)そうです.
    問題C:
    Lachlanの予想「Tがstable(or simple)だがω-categoricalで なければ,I(ω,T)は無限である.」 はsuperstable(supersimple)の場合は証明されている. また,これはweight=有限でも大丈夫である.(Fujimotoの 結果によれば,finitely basedでも大丈夫) しかしsmall stable かつweigh=無限の理論は存在すること をHerwigが示している.その構成はHrushovskiのω-categorical pseudoplaneの極限の形で書かれている. しかし,Tsuboiの結果によれば,ω-categoricalな理論の 極限では可算モデルの数が有限の理論はできないことが わかるので,Herwigの構成はLachlan予想の反例には なりえない.そこで,small, stable, weight=無限, language=有限 のものが存在するかという問題が自然にでてくる.

  2. 2000年12月9日(土)に 池田宏一郎さんが筑波にいらっしゃいました. generic structureについての研究発表
  3. 11月13日〜15日にに京都の数理解析研究所で モデル理論の集会がありました.
  4. 9月18日(月)−22日(金)にF.Oger氏が筑波にいらっしゃって Tarski's Conjecture について大学院集中講義をされました.他大学 からも多くの先生がいらして講義を聞かれていました. しかし残念なことに,本来の対象の本学の大学院1,2年には 内容の難しさと英語力の問題により完全には理解できなかった ようです.(さて全否定でしょうか部分否定でしょうか?)


    大学院4年生の米田氏が 頑張って講義ノートを作ってくれました. 必要な方は返信用切手をはった封筒を送ってください.
    ※Tarski 予想とは「生成元が2以上の自由群はすべてelementarily equivalentになる」というもので,最近肯定的に証明されたという ことです.お茶会のページも参考にしてください.
  5. 数学基礎論サマースクール は終了しました. 講演ノートは大学院のページ にあります.


    左がKim先生,右がWagner先生,真中は知らない人.

  6. 20008月31日 JAMS Annual Meeting (大阪府立大学 学術交流会館 多目的ホール) で行われた研究集会 「Discussion Mathematical Problems with Prof.Shelah」 に参加してきました.
    どういう感じかと申しますと,ちょうど中学校か何かで先生が 前に座っていて学生が自習をしている.質問がある学生は先生の ところへ行って「すいません.この問題がわからないんですけど」 と言って横に座る. こんな感じです.小生も中学生になって2回も質問してしまい ました.一つは「いい問題だ.重要だと思うが,こういう感じに 考えたことはなかった」とおっしゃてくれました.分ったら メイルを下さるそうです. (問題のうち一つは「解答」をいただきました.でも字がとても きれいで読めません.ただいま解読中.)
    中学校と違うのは,質問をしたのに「問題をくれてありがとう」 という返事が返ってきたところです. 大先生はやはり数学の問題を考えるのが大好きなのでしょう.

論文たたき売りコーナー

  1. 単純理論の融合 MLQに掲載決定
  2. ωの定義可能性についての論文 現在進行中