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数式処理によるロバストかつ効率的なロボットの動作計画

ここでは、公益財団法人JKA 競輪補助事業 機械振興補助事業 研究補助/個別研究「数式処理によるロバストかつ効率的な計算に基づくマニピュレータの動作計画手法の開発」(2025M-336) の研究成果を掲示しています。

事業概要

本研究では、数式処理(計算機代数)によるロボット、特にマニピュレータの動作計画を対象としました。

数式処理による動作計画は、大域的な計算により、ロボットの動作前に動作計画の実行可能性を厳密に判定できるというロバスト性を持ちます。一方で、数値計算による局所的手法と比較すると、1) 計算コストの増加、2)座標や経路に対する浮動小数の直接的な適用が困難、といった課題があります。

本研究では、包括的グレブナー基底系や限量子消去法といった数式処理の理論を応用し、マニピュレータ対してロバストかつ効率的な動作計画手法を開発しました。

研究内容

1. 7自由度マニピュレータの逆運動学問題の解法の研究

この研究では、7自由度マニピュレータの逆運動学問題の解法の導出を行いました。7自由度マニピュレータは、独立して動作する関節が7個備わった腕型ロボットです。7自由度マニピュレータは、ヒトの片腕と同様の自由度を持ち、手首の位置(3自由度)および姿勢(3自由度)を決めた後でも1次元の冗長な自由度を持ちます。

本研究では、手首の位置と姿勢を与えた上で、マニピュレータを構成するリンク(腕)全体が障害物を避けるような手首の角度を与えることにより、6自由度の逆運動学問題に帰着させる解法を提案しました。6自由度の逆運動学問題の解法には当研究グループのこれまでの研究成果を活用することにより、全体として7自由度マニピュレータの逆運動学問題の解法を確立しました。

2. 3自由度マニピュレータに対する軌道計画問題の解法および解の存在保証に関する研究

この研究では、3自由度マニピュレータの手首を動作させるために与えられたの軌道に対し、その軌道上で手首が移動可能(すなわち、軌道計画が実行可能)な範囲を厳密に求めた上でその解を求める手法を提案しました。

これまでの当グループの研究により、線分で与えられた軌道に対し、その軌道上全体を手首が移動可能かどうかを判定する方法は開発されていましたが、具体的に軌道上のどの範囲で移動可能かという情報までは求められていませんでした。本研究では、手首が移動可能な区間も厳密に算出する方法を確立しました。さらに、スプライン曲線で与えられる軌道に対しても、手首が移動可能な区間を厳密に算出する方法を開発しました。スプライン曲線のような曲線の軌道を与えることにより、手首が障害物を避けたりしてより柔軟な動作を行うことが可能になります。

3. 非線形連立方程式の数値解法による話者方向推定問題の解法の研究

この研究では、群ロボットとマイクロフォンアレイを用いた話者方向推定問題に対し、音声拡散モデルから導出される非線形連立方程式を解くことで話者の方向を推定する解法の研究を行いました。

これまでの手法の対象は、2次元平面上の話者方向推定問題に限定されていましたが、この研究では対象を3次元(群ロボットは同一平面上に配置され、話者の高さが異なるような条件)に拡張しました。非線形連立方程式の解法として、三角関数や対数関数を変数に置き換え、数理最適化手法の一つである信頼領域法を用いることで、高精度かつ効率的な解法を確立しました。

研究業績

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