Ocha-kai Seminar (2001).



福崎氏
モデル上の definability と implicit definabilityが同等になる elementary extension に関する氏の結果の紹介.

池田氏
Hrushovskiのgeneric constructionではω-categoricalな 射影平面を作れないという氏の結果の紹介.

高橋氏
4年生の発表会の予行演習.べき集合の濃度はもとの 集合の濃度より真に大きいという「非常に,この上なく,まったくもって」 よく知られた定理の紹介.

玉江氏
Lascar strong type と strong typeの 関係について解説を行った. 院生の矢野さんのとった ノート があります.

矢野氏
変数の個数を制限して論理式を考える. 1階の論理式でも,無限論理の論理式でも 有限構造に関しては表現能力に差がないという事実の 紹介.大学院生鈴木さんのノート (dvi-file).
辻山氏 R n を有限個の形(を平行移動したもの)で 重なりなく埋め尽くすことを tilingという. 与えられた tiling に対してL-構造を対応させるという F. Oger 氏のアイディアの紹介.そのうち,ご本人の ノートが作られる予定.

原田氏
Treeの高さがκで,各 i < κについて,レベルが i の元はκ未満しか ないとき,κ-tree という.κ-treeが cofinal branchを 持たないときにAronszajn treeという. 2< κ = κ なる κ に対して,κ + - Aronszajn tree が存在するという事実の証明. 詳しくは院生の宇佐美さんの ノート (dvi file)参照.

宇佐美氏
|P| < \kappa の仮定をおくとたいていの場合 large cardinalであるという性質を以下の意味で保存する
\lambda is (*) <=> ||- \lambda is (*)
というお話.[(*)はいろいろ].詳しくは 院生の原田さんのノート(PS file)をご覧下さい.

岡本氏
体のモデル理論に関する問題の紹介
(1)体KがPAC(pseudo-algebraically closed)とは 絶対既約な多項式f(X_1,...,X_n)が常にKに解を持つことである. SCF(separably closed fied), locally finite field などはPACになる ことが知られている.ACF \subset SCF \subset PACという 包含関係と安定性との関係はあるか?ACF <-> superstableは OK,ではSCF <-> stable, PAC <-> supersimpleなどは どうなのだろう.
(2)minimal filed of ch > 0 がACFになることはWagnerが示した. では,ch=0の場合はどうなるか?また,almost algebraically closed field (1次以上のpolynomial function のdomainはcofinite)は 代数閉体になるか.
詳しくは院生の鈴木さんのノート (dvi file)をご覧下さい.

Francis Oger 氏.
有限個の形の図形でRnを覆うことを tilingという.Tilingに対して,モデル理論的な構造を与える. 各辺 e を点と考え,図形 R を辺の数だけの arity を持つ述語として,その図形の中にその辺があるということを示す 構造を考える.この構造を考えることにより,ある条件のもとに 非周期的tilingがたくさんあることを示した. 詳しくは院生の矢野さんのノート (dvi file)をご覧下さい.
鈴木さん(6.19)
鈴木氏 01/06/19
weak o-minimal structure に関する基本的な事実の紹介. o-minimal(稠密全順序を含む構造で一次元構造が簡単なもの. 例えば実数体など)とelementarily equivalent な構造は再び o-minimal になるが,weak o-minimality はこの 性質が崩れることなどを例も交えて解説.
鈴木さんの講演の後,村上さんが前回のご自身の講演に関連する 事項の補足を行った:Λ-complete ideal の和 I1+I2 (二つを含む 最小のΛ-complete ideal)で,{a1 v a2: ai belongs to Ii}の形で かけないものの例を見つけたというお話.
米田さん(6.12)
米田氏 01/06/12
CM-triviality と ω-categoricity についてのお話. D.Evans (JSL 2000)の論文の定理:
「 T: ω-categorical, supersimple, CM-trivial → SU(T) < ω 」
の証明の概略を解説.
ω-categorical, supersimple, SU \geq ωな理論が与えられたとき に,ランク無限のregular type r(x) をひとつ選ぶ.r 上にforking dependence によってclosure operator を入れる.r(x)はlocally finite にならない. よって,r は適当に (constantsを導入することにより),cl(ab) が無限となる ab を持つ.点を cl(d), 直線を cl(de) 平面を cl(def)として幾何構造が 入ることが示される. このことは,2-ampleになる(すなわちCM-trivial でない)ことを意味する. (桔梗さんの話参照.)
去年の村上さん(6・5)
村上氏(去年の写真:言わなきゃだれもわからない) 01/06/05
ブール代数BのイデアルI1,I2に対して, これらをともに含む最小のイデアルは{ x1 \vee x2: xi \in Ii } とかける.イデアルに条件をつけた場合はどうなるかを 考えたというお話.具体的には次の問題を考える: Λをブール代数 B の部分集合からなる(ある種の)クラスとして, 「イデアル I がΛのイデアルである」という条件を考える. この条件を持つイデアルたちの間で二つを含む 最小イデアルを考えたときに,上のような簡単な表現が存在 するかどうかという問題.
困難な箇所は次の場所である: I がΛのイデアル, b \in B が I の上界だとしても,I がΛ[b] のイデアルにもなるかどうかが わからない.
池田さん(5・29) 池田氏 01/05/29 Cut のある証明図は無駄のある証明と考えられる. LK(Gentzenの体系)で任意の証明図をCutのない証明図に 変形できることを主張するのが, 有名なCut Elimination Theoremであり,それは帰納法で証明できる. 同じように,LKの推論で左側に証明できるものが含まれる推論 (redundant)も 無駄な推論と考えられる.Cut と Redundant のない証明(+ある種の 変数条件)の存在は \epsilon_0までの帰納法で証明される(Mints).この定理から PAの無矛盾性は容易に導かれる. Π10-LKにおいて同様に無駄のない証明の存在を示したという お話.
鈴木さん(5・22) 鈴木氏 01/05/22 PAの証明(図)はもちろん有限の長さであるが,これを Schutte流の無限の長さ(幅)を許す証明(図)の世界に持っていって 考えると扱いやすいというMints (2000) と Buchholz(1997) の論文の内容の紹介.例えば,Normalization Theoremなどにも 対応できるという. しかし,鈴木氏自身はこのような手法が本当に有効かどうかには 多少懐疑的のようです.
桔梗さん(5・15) 桔梗さん5・16 CM-trivialityについての解説をされた. SM集合(strongly minimal set)の分類としての CM-triviality.およびさらにPillayによる さらに詳しい階層(n-ample)を作る話. 詳細はこちら. (DVIです)

塚田さん 01/05/08
Birkhoff の定理は「線形順序によって定義される位相空間は normalである」ことを主張する.(normalとは二つのdisjointな閉集合が 開集合で分離されることである.) この定理にはACが不可欠であることが分かっている. 実際,Kromの結果はOP(すべての集合が線形に並べることができる) +\neg SEP(2元以上からなる集合たちの族F={X_i}で,各X_iに対して 空でない真部分集合Y_iたちを指定できないものがある) のモデルでBirkhoffの定理の反例と なるものがある.しかし,もっと強くBPI(すべてのBoolean algebra は prime ideal を持つ)のモデルでBirkhoffの定理の反例が となるものが存在することを示したというお話. 手法はsymmetric modelを用いる.
塩谷さん01/04/24 内容については,塩谷先生の許可がおりないので 詳しくは説明できません. Pκ(λ) のstationary set をなるべく多くのstationary sets に(広い意味で)分解する ときにどの程度まで多く分けることができるかという問題 についての解説.肯定的な結果と否定的な結果があるが, 否定的な結果に対して,今まであった複雑な構成を Shelahのアイディアの応用として簡単な証明を与えることに 成功したというお話.

坪井01/04/17
いくつかの融合定理について解説した. 理論 T1 と T2 の共通拡大 T で もとの Ti たちの性質を保存するものが 存在するか否かについての考察.その性質がω-stability の場合には融合が存在しない場合がある.また, ω-categoricityに対しては,(条件下で)融合が存在する. これに対しては,はじめの二つの理論の言語に共通 部分がある場合でも,OKである.単純の場合も (条件下に)融合の存在が示されている.お茶会では, low theoryの場合に肯定的に解いたというお話をした.

2000年度のお茶会 写真は見られません.